2012/07/20

Nepal-093: ホステル始動

ホステル作りの仕上げは、ホステルで生活する上での様々なルールを決める事だ。
まず、掃除・洗濯・炊事といった家事は、まだ3人だけなので分担せず全員でやらせる事にする。
また、食料に関しては、彼ら自身で賄っているもらう事にする。
実家に居ても食費はかかるのだから、そこまで私が払ってやる義理も無いだろう。
それに、農村の住人たちは普段食べるものの多くを自作しているので、主食のコメやジャガイモなどを村から持ってくれば、店で買う食料は僅かな分で済む。
それ以外の日用雑貨や電気・ガス・水道・電話代などは、新しく作った銀行口座からお金を下ろして支払いをするようサビナに頼む。
もちろん、後でチェックできるよう収支表をつけ、領収書も取っておいてもらう。
彼女は銀行員を目指しているらしいので、これは彼女にとっても良い訓練になるだろう。

2012/07/17

Nepal-092: コネとお茶

サビナに私立大学の入試を受けさせてみる事にした。
ただ問題は、この時期になるとどこの私大も、既に願書の受付が終わっている事だ。
普通に考えれば、この時点で今年の入学は不可能なのだが、ここネパールではコネさえあれば大抵の道理は引っ込む。(それがネパールの発展できない理由なのだが)
というわけで、知り合いでもあるKH学園の理事長にお願いしたところ、ある私大を紹介してくれた。
この私大でもポカラ大学のコースを受講できるらしい。
私もこのシステムについてはよく知らないが、何でも国立大学は外部の私大にも定員枠を設け、本校から派遣された講師が出張クラスにような形で講義をしているという。
要するに、国立に受かる学力が無くても、お金さえあれば同じ教育が受けられるという金持ち用の救済措置なのだろう。
先進国でも子の学歴は親の経済力に比例する傾向があるが、こういった途上国ではそれがより露骨でダイレクトな関係のようだ。

2012/07/14

Nepal-091: 女子の現実

サビナからポカラ大学の入試に失敗したと知らされた。
それ自体は全く驚きではなかった――――というか、むしろ納得だった――――が、いずれにせよ、これでまた話が振り出しに戻ってしまった。
サビナはと言えば、厳しい現実を突きつけられ途方に暮れている様子だったが、それでも全く緊張感が感じられないのは彼女の持ち味だろう。
とりあえずこれからどうしたいのか、彼女本人の希望を聞いてみた。

2012/07/11

Nepal-090: 寮長さがし (2)

少し固有名詞が増えてきたので、一度ここで整理してみたいと思う。

      ビル(男/13歳): 2011年のSG小学校卒業生。現在は私立KH学園に在籍。
      シュレンドラ(男/12歳): 同上。
      ススミタ(女/13歳): 2009年のSG小学校卒業生。現在はシャムロック・スクールに在籍。
      キーラン(男/11歳): 同上。ススミタ、サビナとは姉弟。父親は既に他界。
      サビナ(女/18歳): ススミタとキーランの姉。公立校で102年の基礎教育を修了している。かなりマイペース。

2012/07/09

Nepal-089: 寮長さがし (1)

家が貧しくとも見所のある子供の可能性を伸ばすため、良い教育が受けられる都会の私立校に編入させる。
そのために私は、生徒たちの住むホステル(学生寮)を設立する事にした。
幸運にも場所に関しては、かなり好条件な家を一軒丸ごと借りられる目処が立った。
あとは子供たちの面倒を見てくれる寮長が見つかれば、準備はほぼ完了だ。