2012/08/14

Nepal-095: 全て世は事も無し

さて、こうしてまた3ヶ月のネパール生活が始まったわけだが、メインの活動はこれまで通りSG小学校でのボランティアだ。
現在は英語はほとんどアナンダ先生に任せて、私は主に算数と理科を教えている。
SG
小学校で高学年の算数と理科を担当してるのが、一番若いパトリカ先生だ。
私は基本的に、このパトリカ先生をトレーニングしながら一緒に授業を行なっている。
教師の質が低いネパールの学校では、授業は教科書を通り一遍になぞるだけになりがちだ。
もし教科書が日本のように考え込まれた構成になっているならそれでもいいが、内容の薄っぺらいネパールの教科書では考える力が育たない。
だから、授業の所々で教科書には書かれていない学習方法や問題を挟んでいって、教師の教え方の幅を広げていきたいと思う。

また、昨年と同じ様に放課後の特別クラスも再開した。
これは任意で参加するクラスなので、普段の授業よりも集中的な指導が可能だ。
もし今年の5年生の中にも有望な生徒がいれば、ビルとシュレンドラのいるポカラの私立校へ進学させようと思う。
それには毎日特別クラスに参加し、私立で通用するレベルに達するのが条件となる。
ただ、この『毎日』というのは、決して簡単な事ではない。
人間の行動は全て『動機』によって引き起こされるが、行動を持続するには単発的な行動とは比較にならないくらい強い動機が必要なのである。
確固たる意志と強い忍耐力が無ければ、遊びたい盛りの子供が放課後も残って勉強する事など出来はしない。
逆に言えば、それが出来る子供ならば、環境さえ整えてやれば勝手に伸びていくだろう。
それを見極めた上で、私は奨学金なり教育支援なりを検討したい。

さて、そうして始まった特別クラスだったが、数日で早くも5年生の参加者は一人になってしまった。
何というか、今年の5年生はちょっとダレ気味である。
まぁ、こればっかりはどうしようもないが、その代わりというか、4年生にはなかなか優秀なのが2人ほどいる。
その他、23年生のちっこいのや気まぐれで参加する生徒を含め、毎回10人ほどが夕方5時頃まで残って勉強している。

学校の後は、以前だったら真っ直ぐ帰ってダラダラ過ごすのだが、今はなるべくホステルに顔を出すようにしている。
ホステルのビルとシュレンドラは見たところ、以前と変わらずストイックに頑張っているようで、成績も少し良くなっている。
ホステルでの生活も今のところ大きな問題は無いようだ。
世話役のサビナも相変わらずマイペースだが、二人とも問題無くやっているように見える。
ただ、大学での彼女の成績は、やはり今ひとつ伸び悩んでいるらしい。
まぁ、公立校上がりが独学で成績を伸ばしていくのは難しい事だろう。
かと言って、大学レベルだと私が教えられる事も少ないので、自力で頑張ってもらうしかあるまい。

――――と、まぁ、そういった感じで特筆するほどの変化も無く、さりとて全く変わらぬわけでも無く、ネパールの時間はゆっくりと流れているのであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿